周辺住宅へ影響を及ぼす空き家

現在、日本全国で800万戸以上もの空き家が
放置されていることで問題になっています。

空き家

この空き家、さまざまな問題を抱えているのですが、
周辺住宅への影響もその1つになります。

空き家が周辺に及ぼす影響

・隣家である空き家から庭木が伸び放題でその木が自分の土地にまで越境してきている
・空き家の軒先にハチが巣を作っている
・ヤブ蚊が大量発生している
・とにかく変な臭いがする
・割れた窓から誰でも侵入できる状態になっている
・放置されすぎて今にも倒壊しそう
・粗大ごみが不法投棄されている

など数えたらキリがないくらい周辺住宅に悪影響を及ぼしています。
近隣に放置された空き家があると、景観を損ねてしまうだけではなく
治安が悪くなってしまったり害獣や害虫の発生、
放火、倒壊など他の人にも迷惑をかけてしまうのです。

 

空き家の増加で犯罪も増加

空き家が増えると、犯罪も増加してしまいます。
空き家問題の中のひとつに”治安の悪化”が問題視されています。
実際、空き家率の高いエリアは犯罪率も高いのです。

空き家への放火や、粗大ごみなどの不法投棄、
そして割れた窓ガラスから進入した不法侵入など犯罪の温床に繋がるのです。

空き家に外国人集団が侵入して
その空き家を大麻工場へと改造したというニュースもありました。

空き家は、長い時間人の目がない上に管理されていないため、
長期間放置すると犯罪集団に目をつけられやすく
そこから放火や不法侵入などといった犯罪に繋がりやすくなるのです。

この他にも、神奈川県で1年以上行方不明になっていた男性が、
空き家に遺体遺棄されていたといったニュースも。

空き家が増えると犯罪も同時に増加し、
その地域の治安レベルも著しく低下する恐れがあります。

 

空き家の増加で住宅市場の需給バランスの悪化

空き家率が高い理由の中のひとつに、世帯数以上に住宅が供給されている、
という問題もあります。

これは、”供給が過剰な状態”ということになります。
ちょっとリフォームすれば十分使える住宅でも、
新築ばかりが建設されて新築を好む人が多いために
中古住宅は見向きもされないというのもバランス悪化に繋がっているのです。

ですが、地域の住宅の数に合わせて人が集まってくるというわけではなく、
かなりの過剰ではない限り「ここに住みたい」と思っても
住宅が無ければ住むことは出来ないため少しのストックは必要になります。

現在、世帯数の減少人口減少が始まっているため
住宅が減らないとなると空き家が増えて住宅の資産価値は
どんどん下がってしまう恐れがあります。

現在空き家が中古市場に溢れている状態で、
これがもし価格崩壊になったとき空き家ではなく
住宅の所有者ですら影響を受けることになってしまいます。

住宅市場の需要のバランスの悪化にも繋がってしまう
空き家はこのまま増え続けると、
住宅自体の価値をも下げてしまう恐れがあるのです。

 

空き家問題への各自治体の対策

空き家対策特別措置法

空き家対策元年である2015年の5月、
空き家対策特別措置法がスタートしました。

これまで空き家対策は各自治体で何とかしてきたのですが、
あまりにも空き家が増えてしまったため
国をあげてこの空き家を何とかしよう!と”法”で決まったのです。

特定空き家”に指定されると、土地に対する固定資産税の特例から除外されて、
今後固定資産税は最大で4.2倍にアップします。

ただ、土地の固定資産税がアップしても
家(空き家)の固定資産税が高かった場合は
使わない空き家は解体してしまった方が固定資産税を安くすることも可能です。

このほかに、解体の通告から強制対処が可能になります。
指導勧告命令強制対処という段階を踏んでから強制対処となるので、
指導を受けた場合速やかに空き家をどうするのか検討するようにしましょう。

 

自治体や条例で解体費用補助

空き家が増え続けている理由の中のひとつに、
空き家を解体するときの費用が重い負担になるというものがあります。

不動産業者などによると、一般的な二階建ての住宅の場合撤去するためには
およそ100万円~200万円ほどの費用が発生するとされています。
この費用が負担になって、空き家をどうすることも出来ないという人も多いのです。

ですが、自治体の中には空き家の解体費を補助してくれるところもあります。
現在、全ての自治体が補助金を出してくれるというわけではないのですが
一部の自治体では空き家を解体する際に生じる費用の
何割かを負担してくれるというところもあるので、
空き家を所有しているエリアの自治体に問い合わせてみるとよいかもしれません。

補助制度を受けるためには、空き家所有者の所得が
一定の基準よりも低い場合や、建物の傷みがあまりにも酷い場合など
自治体によって決められた条件をクリアしなければなりません。

空き家を放置すると周辺環境にも影響を及ぼしてしまうため、
是非一度自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 

空き家バンクの取り組み

増え続ける空き家を何とかするべく、
現在日本全国でさまざまな取り組みが行われています。
空き家バンク”もその取り組みのひとつ。

空き家バンクとは、主に自治体が定住を促進する為に
空き家を紹介してくれる制度のことをいいます。

自治体が空き家バンクを行っているその目的は3つ。
子育て世代や若年者などの定住化
人口の増加
農林業従事者などの増加
となります。

空き家バンクを行っている自治体によっては、
補助金などの優遇措置に加え、空き家に関する
優先的な情報を提供してくれるところも多数あります。

空き家バンクの売却/賃貸の割合は
売却物件が70%賃貸物件が30%程度となります。

また、”直接交渉”と”間接交渉”の方法を設けている市町村もあります。

直接交渉では空き家所有者と直接交渉が行えるという方法で
仲介手数料などは発生しませんが不動産では
多少”難アリ”とされる物件を掴まされてしまうケースも多いため
不動産にやたら詳しい人だったり、
売買を何度も経験したことがある人じゃないと厳しいかもしれません。

間接交渉では不動産や宅建業界と交渉を行うというもので
初めて中古物件を購入するという方でも安心なのですが、
仲介手数料などが発生します。

空き家バンクでは、畑や農地がセットになった空き家を販売していたり、
家だけではなく移住に関するさまざまな情報が公開されている場合も多いので
初めてその土地に住む方でも安心して物件を選ぶことが出来るようになっています。

中でも、人口減少が問題になっている市町村は移住者に
かなり寛大である場合が殆どであれこれと職員さんが案内してくれたり
優遇措置が充実していることもあります。

空き家バンクでは全国各地の空き家情報をチェックする事が出来るので、
”新築じゃなくてもいい””田舎で静かに暮らしたい”という方にも大変オススメです。

 

空き家問題への個人での対策

空き家の売却

親の遺産相続で空き家を貰ったけど、
その空き家に住むことはないという人も年々増え続けてきています。
個人で出来る空き家対策の中のひとつに、
空き家を売却してしまう”という選択肢もあります。

空き家を売却する場合も通常の家を売る場合とほぼ同じで
まずは一括見積を行い、自分の家がいくらのかを把握して、
一番高く見積をくれたところと売買契約を結ぶといいでしょう。

相続によって取得した財産(土地や建物など)は、
相続発生した日から3年10ヶ月以内に売却すると
譲渡所得税や住民税が軽減されます。

この優遇措置のことを”相続税の取得費加算の特例”といいます。
普通、相続して財産を得ると相続税が発生します。

この相続税を払うために相続財産を売れば譲渡所得として所得税が発生します。
この1つの財産に対して2つの税金が課税されてしまうのを
軽減しましょうね~という特例になります。

相続した空き家を売るときに課税対象となる譲渡所得は
譲渡収入-(所得費+譲渡費用)
という計算式になります。

が、3年10ヶ月以内に売却すれば
譲渡収入-(所得費+所得費加算額+譲渡費用)
となりかなり軽減されるのです。

相続したけど、もう住むことはないだろうという空き家は
是非期間内の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

空き家の活用

相続した空き家(実家など)に住むことはないけど、
思い出いっぱいの家を活用してなんとか維持しておきたいと
考えている方も多いのではないでしょうか。

空き家活用法にはさまざまな方法があります。

賃貸物件として貸す場合

実は最近首都圏から田舎に移住する人が年々増えてきています。
この場合、アパートよりも戸建住宅を選ぶことが多く
田舎では戸建の賃貸がひそかなブームになっているのです。

この賃貸物件として貸したい方にオススメなのが空き家バンクです。
全国の自治体が空き家対策として空き家バンクを設けているので
そちらに登録をして空き家を賃貸物件として他の人に貸すという方法もあります。

シェアハウスにする

シェアハウスとして賃貸物件にするのもオススメです。
田舎の一戸建ては広く、単身者にとってはちょっと敷居も高く感じられるのですが、
シェアハウスにすることで賃料も安くなり
1人でも入居者がいれば家賃の収入もあるため
アパートよりもリスク分散が期待できます。

また、一軒で貸すよりも合計家賃が多く取れるのもシェアハウスの特徴。

公共施設として活用

地域住民が気軽に集まれるコミュニティスペースとして活用するのもお勧めです。
自治体やNPO法人などに使ってもらうというもの。

これは利益を出す為というよりはどちらかというと
空き家を使って地域活性に役立ててね”という感じで貸す形になります。

移住者の体験用住宅として貸す

最近では移住者対策事業として田舎暮らし体験用住宅の提供なども行っています。
空き家バンクがある自治体ではこういったツアーなどを行っていることも多いため、
その移住者用に向けた仮住まいの需要も高まっています。
一度自治体に問い合わせてみるとよいですね。

このほかにも、民宿やリフォームして店舗用にして貸し出すといったさまざまな活用法があります。
思い出いっぱいの実家を解体するのではなく、
なんとかして維持していきたいという方は是非一度検討してみてはいかがでしょうか。